写真趣味とは元来一人でも楽しめるものですが、大学の写真サークルというコミュニティを通じ、私達は互いに作品を見せ合い、試行錯誤し、写真展での展示を通して「もっと良い写真を撮りたい」というすばらしい感情を得て、切磋琢磨してまいりました。

　しかし大学卒業を迎え、社会の藻屑となり再び孤独な写真趣味の道を歩むようになった私達は、忙しさにかまけて、かつてアルバイト代をはたいて買った一眼レフカメラを部屋の隅に忘れ去り、ホコリの積もるままにしています。

　このままではせっかく磨いた感性・技術、そして写真の楽しさが私達から失われてしまう、そんな現状に警鐘を鳴らすべく、今回の写真展を開催することにいたしました。

　しばらく会っていなかった同期との横の繋がり、写真を教えてもらった先輩そして自分が教えた後輩との縦の繋がり。この2つの繋がりを温め、公の場で自らの作品を皆様に見ていただくことで、私達の写真への熱を再燃させたい、この写真展にはそういった思いが込められています。

　おじさんおばさんの領域に片足を突っ込み始めた私達（のレンズ）は、再び煌めきます。ご期待ください。